缶バッチgood!とNEW 缶バッチgood! を使ってみて進化の度合いを試してみた?

缶バッチgoodは以前から手軽に缶バッジが作れる玩具として人気が高いようですね。しかもお値段も手頃ということでお誕生日やクリスマスのプレゼントにも最適ですね。我々缶バッジ製造業者としても気になってしょうがないモノです。とりあえず買っておいてはみたものの「時間に余裕があったら使ってみようと」思いつつ1年近くほったらかしでした(笑) 日々何千個と缶バッジを作り続けているのでなかなか缶バッチgoodを触っている余裕がありません・・・(汗)
そして、あるお客様から「缶バッチgood!を使っているのでパーツを譲ってもらえないかとのご相談がありました。どれも共通と思っているようでしたが、この缶バッチgood!と弊社のパーツが合わないこと丁寧に説明させていただきました。大きさによっては適合する場合もあるのですが弊社では責任がもてませんので基本的には販売をお断りしています。
お客様とのそのようなやり取りがあり、そういえばあの缶バッチgoodがどこかに有ったなと会社倉庫の奥の方から引っ張り出してきました。という事で今回はこの缶バッチgood!を専門家の目から徹底的に探ってみようと思います。
とりあえず缶バッジを作ってみましょう
まず、化粧箱を開けると本体と練習用のパーツが出てきました。全般的にプラスチックでできているので少し安っぽい印象はありますね。まぁ、玩具ですから仕方がないですね。梱包はさすがに綺麗でした。
缶バッチgood!と業務用の機械との大きさを比較してみました。縦にデカい印象がありますね。でも意外と軽くて驚きました。業務用は結構思いのでプレスする時にも力が必要になります。
とりあえず作ってみることにしました。私はあまりマニュアルは見ずに作業してしまう性格なので、おそらくこれはこれだろうと思って、1番に表のフタと原稿とフィルムを入れて、2番に裏のフタを入れて作業を進めます。業務用のでしたら1番でガシャン、2番でガシャンという感じですが、缶バッチgood!は1番でハンドルを回してねじ込んで、2番でねじ込むような形になります。小さいお子様には力が足りないかもしれません。
とりあえず作ったものがこれです。流石にお世辞でもきれいとは言えないですね。これは付属の原稿を使って作成したものですので、もう少し厚い紙を使えばなんとかなるかなといったところでしょうか。缶バッジのフチ部分にかなりシワが出ているのがわかります。
失敗の連続でテンションダウン
1個はうまくできたので、数個作ってみたらご覧の有様でした。これは酷いですね。失敗の連続でした。この失敗もそれぞれが違っていて、私の目から見ればこの場合はどこを直せばいいかがだいたい分かりますが、玩具ですとおそらく機械部分等を見直す余地がないものと思われます。それにしてもこれだけ失敗が多いとテンションダウンしてしまいますね。
缶バッチを横から見ますと、シワシワですね。このシワ具合だとパーツも見直した方が良さそうですね。上のパーツと下のパーツの間隔が空きすぎのようなきがします。私がメーカーさんに勤めてたらそのようにアドバイスしますね。まぁ、機械部分を見直すのも大事ですがまず、パーツでしょうね。
さあ、とことん見ていくためには缶バッジの機械もばらしてしまいましょう。本体に被せているカバー部分を外していくと中身の中心部分がすぐに見えてきました。やっぱり、ほとんどがプラスチック製なんですね。ここの中心的な構造部分に関しては鉄やアルミなどの金属が望まれますが、コストダウンのためには仕方がないでしょうね。むしろ、この価格でここまでやっているところはさすがにメーカーさん凄いです。
業務用の機械における、上のフタと下のフタ部分の写真で、上のフタ部分にはもう原稿が入った状態になっています。この段階でかなりのシワになっているので、仕上りがシワシワになるのもわかりますね。機械の部分はどうしようもないとなると、やはりパーツを先に何とかした方が良さそうに見えます。それだけでも仕上りが変わってくるでしょう。
こちらは弊社が以前使用していたハイグレードペーパーで作ったものですが、シワは割と少ないのですが、横に筋は入ったようになってしまいました。これは金型(プラスチックですが。)の問題になってきますね。大幅な改良が必要かと思います。上のフタ部分はもう少し隙間がぴったりとしていた方がシワが少なくなると思います。用紙はなるべく厚めのものを使った方がいいのですがあまり厚くすると失敗が出てきます。
amazonのレビューが凄いことに・・・
ちなみにamazonのレビューが凄かったです。(ほとんど失敗したとか、全然作れなかったとか。) これは金型とパーツの問題ですので、残念ながら弊社ではどうにもできないです。10個作って半分以上失敗したという可哀想な方もいらっしゃるようで、楽しみにして缶バッチgoodを購入したのに残念でしたね。このタイプのものを買う時にはレビューをよく見て買った方がよさそうです。
これで、なるべくうまく作るコツとしては厚めの紙を使うことくらいですかねぇ。あまり厚いとフィルムが破れたり、上と下のフタがうまくつかなかったりと問題もでてきますが・・・。
新しいCanバッジgood! を買ってみた!
前回の缶バッチgoodから数年経ちましたが缶バッチgood!が販売されていましたので、さっそく買ってみました。

スリムな本体です
NEW 缶バッチgood! は前のものと比べてスリムな筐体でした。大きさも二回りぐらい小さい感じがしました。正直これで缶バッジが作れるのかなと思いました。
まず上の蓋と原稿、フィルムをお皿の上に乗せます。お皿はふつうは二つあるのにこれは1つしかありません。どうやら一つのお皿で表の蓋と裏の蓋を乗せて作るようです。だからスリムな筐体なんですね。
お皿の上に乗せたら本体に押し込んでいきます。

一番の上のレバーが少し固いです
表の蓋が本体の上についている状態でお皿を引き出し裏の蓋を乗せてまた本体へ入れ込みます。そしてハンドをを回転させて出来上がりになりますが、このハンドルを回すのに少し力が要ります。

これで一応出来上がりです
ハンドルを回してお皿を引き出すと出来上がりです。前回は失敗が多くてしかも缶バッチのフチのシワが気になりましたが NEW 缶バッチgood! ではどうでしょうか。
シワはちょっと気になりますが、失敗は少ないのでかなり進化したようですね。業務用ではなく一般用ならこのあたりで十分かもしれませんね。
NEW 缶バッチgood! と業務用のパーツの違い
NEW 缶バッチgood!と弊社のパーツはどのように違うのでしょうか?写真を撮ってみました。

写真の上が缶バッチgooで下が弊社のパーツになります
写真の上の方が NEW 缶バッチgood! のパーツで下の方が弊社のパーツです。見た感じ同じように見えますが近くで見るとかなり違います。まず上のパーツですが、 NEW 缶バッチgood! の方は角が角ばって見えます。反対に弊社のパーツでは角が湾曲して滑らかになっているのがわかりますね。この丸みがあるおかげでシワができにくく見た目が綺麗な缶バッチができるのです。
もう一つ気づいた点は表のパーツと裏のパーツを重ねた時にそれぞれの径の大きさが違っていました。 NEW 缶バッチgood! の方は両方を重ねた時に間の隙間がかなり空いてます。表のパーツから裏のパーツに巻き込む形になりますので、この隙間はなるべく空いてない方が良いかと思います。さらにいうと、紙とフィルムの厚さより少し隙間が空いているのがベストかと思います。
表の方から紙とフィルムが裏の方へ回って、裏のパーツがそれを押しながら引っ張る形でフィルムが延ばされてフチのシワがきれいになるといったイメージでしょうか。あまり引っ張りすぎると紙が破れますので適度に引っ張るとシワが延ばされて綺麗な缶バッジができやすくなります。
ここまで綺麗にしようと思うとやはり機械の部分は金属製でないとダメでしょうね。プラスチックでは力を入れようとするとプラスチックの方がダメになってしまうかと思います。価格と出来上がった缶バッジのクオリティを考えるとこのあたりが限界かと思います。しかし安価でよいものを作っていますね。両方を使ってみて 缶バッチgood! の進化を感じました。