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缶バッジは機内持ち込みできるの?その注意点とは?

近年、アニメやアイドル、アーティストのグッズとして「缶バッジ」が非常に人気を集めています。イベントやライブで購入した缶バッジを、旅先から持ち帰ったり、逆に遠征の際にお気に入りの缶バッジを持参するというファンも多いでしょう。そんな中で気になるのが、「缶バッジは飛行機に持ち込めるのか?」という点です。

このテーマについて、実際の航空会社のルールや空港での手荷物検査、缶バッジの構造に関わる安全性、そして持ち運びの際の注意点を含めて詳しく解説していきます。

缶バッジの基本構造と機内持ち込みの懸念点


缶バッジは、主にスチールやアルミといった金属素材で作られた本体に、印刷された紙やフィルムが貼られているものです。裏面には安全ピンやクリップがついており、衣類やバッグに装着できるようになっています。

この缶バッジの構造から、多くの人が心配するのが以下のような点です:

・ピンがついているため、「鋭利な物」として扱われるのでは?
・金属製のため、金属探知機に引っかかるのでは?
・数が多いと「部品」として怪しまれるのでは?

これらの不安はごもっともですが、実際には缶バッジは多くの航空会社で「機内持ち込み可能」とされています。ただし、いくつかの注意点を押さえる必要があります。

■ 国内線・国際線での取り扱い

【国内線(日本の航空会社)】
日本国内の主要航空会社(JAL、ANA、Peach、Jetstarなど)では、缶バッジは基本的に機内持ち込み可能とされています。安全ピンがついていても、文房具のホチキスやクリップと同様の扱いとなっており、危険物には該当しません。

ただし、以下の点には注意が必要です:
・ピンが露出している状態だと、検査員が危険と判断する場合がある
・缶バッジが多数あり、「販売目的」と見なされる可能性がある
・カッターや工具などと一緒に収納していると、全体がチェック対象になる

したがって、缶バッジは小袋や缶ケースにまとめて収納し、ピン先が出ないよう保護しておくのが望ましいです。

JAL(日本航空)の場合

  • 公式サイトには缶バッジに関する禁止や制限は明示されておらず、一般的な手荷物のルールで取り扱われます。刃物など凶器性のある物品は機内持ち込み不可ですが、缶バッジはこれらには該当しません 。
  • ちなみにYahoo!知恵袋の投稿では、「JALは缶バッジ持ち込み禁止ですか?」という質問に対し、「禁止されていないので好きなだけ持ち込めます」と明確に回答されています 。
  • また、痛バ(缶バッジ多数装着バッグ)についても「40個ほどつけた痛バを持ち込んでも検査で長時間止められることはなく、持ち込みできた」との経験談があります 。

結論:JALでは缶バッジの機内持ち込みは禁止されておらず、ピン付きでも通常は問題なく持ち込み可能です。

ANA(全日空)の場合

  • ANAの国内線・国際線ともに、「安全手荷物・危険物に関する禁止物リスト」に缶バッジ類は含まれていません。
  • 金属探知機やX線検査で反応する可能性はあるものの、安全ピンや缶バッジのような小物は通常、検査で問題にならない範囲であるとの記述があります
  • ANAの一般的な機内持ち込み制限はサイズ・重量の制限が中心で、缶バッジ自体に特別な制限は設けていません。

結論:ANAにおいても、缶バッジは明確に禁止されておらず、通常の手荷物として機内持ち込み可能です。

Peach Aviation(ピーチ航空)の場合


Peachの公式サイトには、缶バッジの禁止・制限に関する明示的な記載はありません。

  • 機内持ち込み可能な荷物の制限としては、「1人2個まで、合計7kg以内、3辺合計115cm以内」となっています
  • 缶バッジは小型金属アイテムとして、危険物リストには該当しません。
  • 規定サイズ・重量内であれば、個人使用目的の範囲であれば、缶バッジの持ち込みは可能と判断されます。
  • ピンが露出した状態だと、「鋭利物」と見なされることがあるため、保護して収納しましょう。
  • X線検査で金属反応する可能性はありますが、通常は問題なく通過できます。
  • 手荷物全体の重量が7kg以内であることを確認してください。

Jetstar Japan(ジェットスター)の場合

Jetstarの公式サイト「機内持込手荷物に対する制限について」には、危険物リストが示されていますが、缶バッジ類は該当せず、通常は持ち込み可能です
荷物枠としては「キャリーケース1個+ハンドバッグ等1個、合計7kgまで(オプションで最大14kgまで)」が基本です

  • 缶バッジを含む金属小物は、通常の小物として扱われ、持ち込み制限の対象ではありません。
  • 缶バッジのピンは、必ず露出していないよう収納し、他の荷物への傷つきを避けましょう。
  • X線で金属反応がある可能性はありますが、通常は没収対象ではありません。
  • 手荷物全体で重量・サイズ制限を超えないよう注意してください。

【国際線(海外の航空会社)】


海外の航空会社でも基本的には同様に缶バッジの持ち込みは許可されています。ただし、国や空港によってはセキュリティ基準が日本より厳しい場合もあるため、注意が必要です。

例えば:
・アメリカやイギリスなど一部の国では、鋭利なものや金属片に対する規制が厳しい
・中東・アジア・アフリカの一部空港では、文化的な違いもあり検査官の判断に委ねられることがある

海外では、特に大量の缶バッジを持っていると「販売用の物品」として通関申告が必要になる可能性もあるため、個人使用の範囲であることを説明できるよう、使用状況を明確にしておくと安心です。

国際ルールと基準

IATA(国際航空運送協会)によれば、金属製の安全ピンや缶バッジは、通常、「危険物」には該当せず、手荷物として持ち込み可能です。ただし、安全のためしっかり固定されていることが前提となります。

金属製であるため X線や金属探知機で反応する可能性はありますが、多くの場合は追加の点検で済むことが一般的です

海外利用者の実体験報告(Reddit)
TSA(米運輸保安庁)の検査でも問題なしとする投稿が多数あり、小規模な缶バッジやエナメルピンをバッグや衣類に付けて持ち込んでも、特に支障がないとの意見が多いです 。
ただし、多数のピンを持っていると「金属の塊」として注目され、注意される可能性があるため、整理して持ち運ぶ方が良いとされています 。

一部のピンには―鋭利であるなど―検査官によって持ち込みを断られた事例もあるため、状況に応じて預け荷物にする判断も必要との声もあります 。

航空会社別ガイドライン(海外大手含む)

以下の航空会社は公式に「缶バッジ・エナメルピンなどは機内持ち込み可能」としており、以下のようにガイドされています

Air France, Lufthansa, Qatar Airways, Turkish Airlines, EasyJet, KLM, Ryanair ほか
→ エナメルピンや装飾用ピンは持ち込み可能。ただし「鋭利なピン」や6cm以上の大きさがある場合には手荷物預けを推奨する場合もあります 。

British Airways では「鋭利なものは機内に持ち込まず、預け荷物に入れるよう指定」されている例もあります 。

■ 空港での検査と通過のポイント
缶バッジは基本的に手荷物検査を通過できますが、X線検査で金属反応がある場合や、持ち込んだ量によっては詳細検査になる場合があります。

検査をスムーズに通過するためのポイントは次のとおりです:
・缶バッジは透明な袋やポーチなどにまとめ、見えやすくする
・ピンが他の荷物を傷つけないように保護カバーをつける
・空港で開けて確認されてもすぐ見せられるように整理しておく

また、リュックやボストンバッグにランダムに缶バッジをつけたまま預けようとすると、検査で引っかかりやすくなることがあります。手荷物として自分で管理できる状態にしておくのが理想的です。

■ 荷物として預ける場合の注意点
缶バッジをスーツケースなどの「受託手荷物」に入れる場合は、以下のリスクがあります:

・他の荷物との圧迫で缶バッジが変形する
・ピンが外れて他の物を傷つける可能性がある
・紛失・盗難のリスク

このようなリスクを避けるためにも、大切な缶バッジはできる限り機内に持ち込むのがおすすめです。どうしても預ける必要がある場合は、缶バッジを緩衝材に包み、ケースに入れてスーツケース内の固定された位置に収納しましょう。

■ 海外イベントや遠征時のトラブル事例
・空港で缶バッジを大量に持ち込んでいたところ「業者」と誤解され、通関に時間がかかった
・ピンがむき出しの状態でポーチに入れていたため、「危険物」と判断され持ち込みを拒否された
・飛行機内で缶バッジを広げて整理しようとして、乗務員に注意された

これらを防ぐためにも、「缶バッジ=個人の装飾品」という前提が守られるように、マナーを守って持ち運ぶことが大切です。

■ おすすめの持ち運び方法
・缶バッジ収納専用のファイルやケースを利用する
・ポーチやハードケースに入れ、ピン先をカバーで保護する
・「鑑賞用」と「交換・配布用」で分けて管理する

■ まとめ
缶バッジは基本的に機内に持ち込むことが可能です。ただし、「ピンの扱い」や「量・収納状態」によっては空港で注意を受けることがあるため、以下の点に気をつけましょう。

・缶バッジは透明なポーチなどにまとめて整理しておく
・ピンが露出しないように安全に収納する
・販売目的と誤解されるほどの大量の持ち込みは避ける
・海外旅行時は、各国のセキュリティ基準を確認する

お気に入りの缶バッジを安全に、安心して旅に連れていくためにも、ルールやマナーを守りながら丁寧に持ち運ぶよう心がけたいものですね。